台東区千束古本屋「サンカンオー」ブログ

サンカンオー店長と副店長ミルク(狆)の日常

可哀そうな漫画たち

某大手新古書店ではまずは漫画を高値で出して一定期間で売れない場合は100円程度に値下げして、さらに売れずに残った時には廃棄するため回収業者に出してしまうというのを聞いた。
元々が「お売りください」戦略で安値で漫画を買い叩き、その価値すらもわからずに売ってる業者だろうから、売れ残ったら即ゴミと思ってしまうも無理はないけど、それではあまりに漫画に対して失礼なのではないだろうか。


漫画好きにしてみれば本棚に並んだ漫画は宝であって、宝を求めて古本屋へと買いにいくのにその店がそれをゴミと同然に扱うってのは納得できない。かくいうウチの店についても売りスペースがないことにより、雑然と、そこらに漫画が置かれてる状態にこそなってはいるが、あくまでこれは「宝」であって捨てる気なんぞ更々ない。
捨てるのはヨレて、破れて、ボロボロのお役御免の本であり、時としてボロボロながらに価値あるものなら出来得る限りクリンレスしてお客様の許に手渡す。


安かろう、多かろうは大いに結構。ビジネスライクに徹することも一つの方法なのだろうから。
でもウチはそういう店にはしたくない。自分自身が漫画が好きでそれでやってることだから、漫画が好きなお客様に「売って良かった、買って良かった」と思われる店にすることが大事なんだと考えている。
店本位、儲け本位ではなく、お客様本位、漫画本位。
そのせいで売上こそは低いけど何とか今日も生きてます。